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みんなでワークショップより、自分で事業を興そう! (No.969)

AIA関西の取り組みを進めている加藤さん古田さんとでは、いつも話していることなのですが、改めて先日ブログに書かれていたので、私としてもアンサー・ソングならぬ、アンサー・ブログを書きたいと思います。笑

まだ加藤さんのエントリー読んでいない方は以下をまずお読み下さい。


特段ワークショップを完全否定するつもりはないですが、最近は「コーディネータ」「ファシリテーター」といったような中間にたつ人が大切です、みたいな話が活況を呈しています。まちづくりを目指す人々の中にも、まちづくりに必要な人材=中間に立ち人、というイメージも強いように感じています。

しかし加藤さんご指摘の通り、僕らが各地で事業に取り組んでいて思う、まちに必要なのは「困難な状況で、最初の一歩を踏み出す人」です。

だから、皆で集まってワークショップやって「こういうのがいいね」「ああいうのがいいね」といったところで、結局誰かがやってくれると思いこんでいたり、何か支援とかの条件が整えばやりますみたいな打算的な意識の人たちばかりだと、何度もワークショップやっても意味がないと思うわけです。

大きな紙を用意し、ポストイットを沢山用意し、それぞれでチームで分かれて、グループワークやって、皆で発表したりして、それではい終わり、というのでは、何もまちは変わらないわけです。けど、何年間もそういうワークショップを手を変え品を変えやり続けているまちは後を絶ちませんし、むしろ増加傾向にあるようにさえ思います。

重要なのはワークショップという手段ではなく、「自分たちでやる」という主体的意識と、それに基づく具体的なアクションです。

「けどうちのまちには、そういう人はいないんだ」ということを言われる方がいるのですが、「であれば、あなたがやればいいじゃないですか?」と。けど「私一人がやってもまちは変わらない。だからみんなで、ワークショップでチームを作り、知恵を出し合って、力を合わせて変えようと思うのです」という人もいます。

僕らからすると、「いきなり何もまちで仕掛ける前に、まずはワークショップで"答え"がでる」という意識が全くもって間違っているように思うのです。もちろんワークショップには様々な技法もあり、わかってないな〜と思われる人もいるかもしれません。が、衰退都市の生き残りといったような局面で、悠長に「みんなで意見を出し合えば満足な答えに行きつく」という思い込みを元に進めていくと、派手な失敗をしたり、もしくは失敗以前に議論だけで行動に全く移されなかったりすると、そもそもまち自体が消滅するという状況に陥るわけです。もう時間はないですし、皆で会議室のワークショップで合意した内容が必ずしも解決策でもないのです。


僕らはこう思うのです。
誰かが立ち上がって、わずかでも前に進めることなしに、まちの「みんな」というものは真には立ち上がりません。それは誰も答えを知らないからです。やってみないと分からないのです。衰退している中で簡単に皆で集まって答えが導けるのであれば、すでにやっています。そんなことはないのです。やりたくても様々な理由で自分ではできない。もしくはやりたいことさえ分からないほどに混乱していたりするのです。それは仕掛ける自分でさえ明確な答えは分からず「当たりをつけるための一定のフレームワーク」がある程度です。やってみて違ったらどんどん変えていくというスタンスです。その先になんとなく解決策の片りんが出てきます。

最初から皆でワークショップをやって、合意形成もちゃんとやって、だからこそ補助金や交付金をもらって、形式的には「成功事例」とされた取り組みとかにしたこともあります。そしてそれらは一時期には評価されましたが、今では評価されないものであり、地域の衰退課題解決とは別のものとなり、苦々しい経験として残っています。

僕らが少なくともやってきた中では、最初から「みんなでワークショップやって計画を組み立ててから始め、成果をちゃんと残して自立して継続しています」なんてケースはほとんど見かけたことすらないのです。むしろ最初は「そんなことはだめだ」といった反対や、「意味がわからない」という疑問ばかりが呈されたものこそ、今でも生き残って自立している事業がいくつもあります。

一方で、最初に反対とかの明確な反応を返してくださる方も、それもまたまち全体からすれば一部で、ほとんど人たちは「流れがわかったら勝ち馬にはのろう」と思っている人たちです。まちの「みんな」は成功しそうなものには乗りますが、最初から成功するかどうか分からないものに乗せられるほど馬鹿ではありません。

だから口だけではなく、自ら「やったほうがいい」ということを自ら挑戦してやってみせて、成果を収めた後に本当の「みんな」が乗っかってきてもらうということが有効なプロセスだと思っています。極めて重要なのは、自分でやってから皆を巻き込む、という順序であり、プロセスを自らリスクをとって前に進めるということです。

最初に「みんな」に逃げないことです。実践して改善しながら物事を前に進めるしかないのです。会議室でやるワークショップは決してまちづくりではありません。

まちづくりで、重要なのは、次はこのまちはこれによって先を作っていくのだと思えることを自ら挑戦するプレーヤーです。このプレーヤーが示した証拠の後にこそ、地域の人たちも「あいつは頑張った。この方法でやってみよう」とついてきてくださると思っています。

「いつやるんですか? 今でしょ」
「誰がやるんですか? あなたでしょ」

的に思うわけですな。

さあ自分から事業を興し、変化の"先っちょ"をまちに生み出しましょう。

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