Felica携帯を活用した地域店舗情報配信端末の有効性 | 経営からの地域再生・都市再生
裏原宿でスタートしたfelica携帯のリーダライターを核にした店舗情報配信サービスがここ数日、テレビやネットで話題になっていますね。携帯電話を利用した商店街などでの商品紹介サービスなどは、ドコモはiモード時代にもかなりフラッグシップ事業として各地で取り組んでいましたよね。これまでは5年間はiモード、これからの5年間はおサイフケータイで稼ごうとしているドコモのサービス世界観を街で実現している感を受けます。 ただiモード時代には、なかなか定着まで結びつかなかったのですが、今回のケースではもともと携帯ユーザー層が厚い原宿をフィールドとしているんですよね。iモード時代にはもう少し地方とかの商店街や地域での実験が多かったんですよね。(IT関連補助金が結構当時はあったのと関係があるのかもしれませんが)その意味では、普及度か高いのかもしれないと思います。ただし、実際店舗があるエリアで各店舗に設置されたリーダーライターで毎度毎度書き込みするのは、最初は珍しく利用するのかもしれません。しかしながら、コンテンツが陳腐しないようにコントロールするなどをしないと、店舗別コンテンツの利用を維持していくのは結構難しいものです。これは早稲田などで実施していた各店舗のクーポンと空き缶・PET回収機事業でも、かなりコンテンツのライフサスクルが早く、常に内容の新鮮度の維持を各店舗に求めてゆくのが結構難しかったのを近くで見ていたもので。中長期的にはポイント事業などのユーザーの囲い込み戦略に入るようですが、継続的な利用に結びつけるキーがコンテンツの「新鮮度」と「有用性」にあるとは思います。 やはり個人的にスゴみを感じているのは、2001年から東横線が試験サービスを始めていたgoopasです。簡単に言うと、駅改札を出ると周辺地域の情報やクーポンの配信が行われるものです。このサービスだとわざわざリーダライターなどにかざす作業が必要ないので、とても楽なんですよね。これまではiモードのような配信サービスでの提供でしたが、すでにおサイフケータイでsuicaとかが組み込まれると、goopasに類するようなサービスの立ち上げはかなり簡単なのですよね。しかも、登録作業や変更なども簡単にできるようになります。 今回のようなリーダライターでの書き込み端末を設置しまくるよりも、ワンストップ、しかも改札のような一般的に現状であるアクションだけに付加サービスとして組み込んだほうが顧客の手間が現状から増えずに利用できます。しかも、コンテンツなども各店舗別での更新にするのではなく、リクルート社のホットペッパーのように一箇所で選んで、厳選した情報を登録情報を元にカスタマイズして配信してもらったほうが、便利です。(特に初めて言った地域では、どの店がどのような店なのかをいちいち確認して読み込むのは手間です。ある程度コンシェルジェ的なサポートをシステムで行ってくれたほうがよいです。) なおかつ、改札を出た時間を基点として、1時間後、2時間後、ランチタイムなどにあわせてメールなどで情報を配信するなどして、滞留を促すと共に、街を遊べるようなサービス性も付加すると、よりアミューズメント的な形になると思ったりします。何年か前に凸版印刷がICチップを利用して同類のサービスを持っていました(World PC EXPOで実験利用されていました) このように、大本命は「Suica」に「goopas」を組み合わせたサービスを飲食なら「ホットペッパー」、その他の店舗情報を持っている組織(裏原宿ならurahara.jpなのかもしれませんが)と組み合わせて提供するのが、一番よいのだと思いますね。 ということで、端末を店頭に置いて顧客に読み込みをさせまくる方法がどれだけ継続的にいけるかどうか、もう少し時間を見て有効性を検証してゆきたいと思います。