Breaking News

「報連相しない、させないマネジメント」 (No.932)

「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)は社会人の基本」と言われて久しいですが、私はそんなことはないと思っています。ホウレンソウが必要なのは、チームで意思疎通を互いに図りながら進めましょう、という意味としては納得がありますが、「部下が上司に常に報連相しなければならない」というような考え方が非効率だと思っています。あらゆる組織で、現状が上手くいかないから、報連相を徹底しろといって報告書を増加させたり、情報共有の名のもとに会議体を増加させたりして、結局は事業が回らなくなって墓穴ほってることが沢山見受けられます。そんなことを増加させても、寛容な仕事はうまく回らないです。単なる管理側の責任回避、精神安定剤であることがほとんどです。私はこれを「ホウレンソウ・シンドローム」と呼びます。 まちづくり事業の現場でも、またあらゆる事業の現場でも発生するのが、「報連相のコスト」です。上司からすると問題が発生する前に報連相を細かくしてもらわなければ管理できず、何かが起こった時に適切な判断や責任のとりようがないという考えがあります。チームが「情報は隠すのではなく共有するのが当たり前」というコモンセンスは正しいとは思います。しかしながら、何より上司は部下をうまいこと働いてもらって、チーム全体での生産量を大きくすることが何より優先される目標です。このためで説明に係るコストは可能な限り削減したほうがいいのです。 「報連相に係るコスト」には、上司にも部下にも、ついては組織全体にとっても2つのデメリットがあります。 まず1点目として、そもそもの事業にかける時間が削られてしまうことです。報連相を支えるのには、週一度の定例会議や、下手すると週報・日報みたいな話が出てきます。会議に向けた様々な資料を容易したり、報告書を策定するのに時間をかける場合、それなりに時間が費やされます。 1日1時間程度、説明書類を作成し、一週間(5日労働)で5時間。さらに定例やその他会議が週3時間とすれば、合計8時間になります。ほぼウィークデイ1日分の時間を説明に割くことになります。場合によってはこの資料だけでは分からない、とかになってしまったら、ますますもって資料作成に時間を取られていくことになります。 これでは、事業に割ける時間が徐々に少なくなり、内部の情報共有のため、ホウレンソウのために時間(つまりは労働コスト)が無駄に費やされることになります。 2点目として、チームのモチベーションが下がっていくことです。 チームとして働いているのに、管理する側、される側。説明する側、される側。という対立関係が発生し、何より内向きで批判されたり、何かを説明して、それに指摘されてというプロセスそのものがネガティヴなものです。同じチームなのに「理解していない」ことを前提とした関係で、いい仕事ができるとは思えません。徐々に内向きな説明会議に時間を費やしていくと、これまたモチベーションは下がる一方で、事業に悪影響が生まれます。 このように報連相にかけるコストは可能な限り下げたほうがいい、意思決定者は自分の会社や部署で報連相の徹底をすればするほどに、事業は上手くいかなくなると思います。 そのため、できるだけこれを最小化する方策を考えたほうがいいと思っています。意思決定者は自らの手を使って情報を把握し、迅速に決断していくことが仕事であり、部下に情報提出や説明を強要して彼らのリソースを使わないように尽力したほうが得策なわけです。 一貫して言えることは「業務の中でいつの間にか報連相ができているようにする」ことが重要であるということです。業務を進めることとは別に、報連相を要求してはいけない。だから業務を進めているとそのうちに報連相で必要と設定する情報が共有されているようにすることがマネジメント側の工夫のしどころとおもっています。説明しろ、と共有するのは誰でもできる愚行であることは先に述べたとおりです。 具体的な方策として大きく5点があると思います。 (1)意思決定者はチームのやりとりに常に参加する。 まず意思決定者は報連相で情報共有するのを止めるのが第一だと思っています。常にチームのやりとりについて参加し、社内での情報共有はグループウェアなどで皆でやることを徹底し、外部とのメールのやりとりはCC専用MLなどを用意して共有する。これで大抵のチームメンバーのアクションは相互に把握できるようになります。情報共有のために日報やら週報やらは全くいらなくなるでしょうし、それらよりも効果的に風通しはよくなります。 (2)口頭での会議は最小化し、ネットでやってしまう。 私は高校の時からネットの掲示板やIMなどで議論するのに慣れているので、口頭での会議よりもネットでやったほうが効率的だと思っています。それは2点あり、まずは皆が自分の都合のいい時間で議論に参加できるため固定的にまとまって時間を費やす必要がなく、誰かが暴走して語り始めてしまうような無駄な会議の時間に付き合う必要もなくなります。もう一つは、議事録が議論のプロセスごと分かるように完成するのです。「ここで議論したから見といて」とURL指定して、あとはコメントを寄せてもらえれば、たいていの議論はできてしまいます。 facebookのやりとりで教えて頂きましたが、アジャイル開発などではこのように各工程の作業量なども共有しながら進めたりするネットツールがあるそうです。口頭や固定的な議事録などでは無理なことがネットで可能になっていくことが沢山ありますね。 http://www.pivotaltracker.com/ (3)議事録など資料作成者担当を決めずに会議中に参加メンバーで共同で書き上げ、参加できなかったら人は自分で読んで把握する。 会議は可能な限りゼロにしようとしても、皆で話したほうが早いこともあるので開催することもあります。ただし、時間的・物理的に参加できない会議もあります。私なんかは遠方の組織と仕事することが多いため、常に物理的にはそこにいないことが多くあります。 こういう時にこれまでは「議事録担当」といって好き勝手話す人と、議事録とる人に分けて考えたりしていましたが、私は議事録は可能な限り意思決定者も含めて皆で作成すべきと思っています。議事録担当だけでは完璧なものは無理で、結局皆で確認して資料修正に時間かけたりします。私も様々な国の会議とかでも、議事録確認メールをもらって確認しているだけであっという間に時間が経つ非効率性を経験しています。議事録担当+皆で事後チェックというプロセスでは膨大な時間が無駄になっていきます。 そのため、議事録作成はgoogleDocsやグループウェアを開いて、皆で入って共同編集していくスタイルが一番ベストだと思っています。皆で意見を言ったらそこに記載していく。話ながら記載して、不足している点は補っていくという会話とメモのリンクです。これで大体終わりです。 最近ではSkypeなどもあるので、会議参加できない際も遠方から参加できる環境整備をしておくのもコストはほぼゼロに近いのでやっておきましょう。これであれば、先のgoogleDocsに遠方からも入れるので、自分も議事録作成に遠方からでもシームレスに参加できます。 (4)分からない時は意思決定者が聞きたい人に口頭で話を聞いて、資料を共同作成する。 基本的に上記3つの方法で、情報共有の基本体系を変えて、効率的に事業に集中出来る環境を作ることに徹するのが重要です。これによって、かなりチーム内で時間は効率化され、モチベーションが下がるような内向きの変な報告義務みたいなことも少なくなっていきます。さらに、意思決定者はそれでも分からない場合は「自分が悪い」と思って、聞きたい人に口頭で話を聞いて、資料は共同作成することです。...

商店街活性化 | 経営からの地域再生・都市再生

二回連続でまちを変えるために必要なことって何だろうか、という観点からブログを書いていました。まち起業を促進しなければいけない、イベントばかりやっていたらいけない、のは今のまちの衰退は、構造的な課題を招いている背景には、そのマネジメント手法などの方法論と共に、主体者(地権者・事業者)のやる気がなくなってしまったりしていることも多いため、新陳代謝が全てに優先される、というポジションに立っています。 ■ブログ「「まち起業率」がまちの未来を決める (No.927)」「イベントを恒常的な取り組みにするためのポイント (No.928)」 私が役員やってる熊本城東マネジメントでは、ここ3年間の廃棄物処理の合同化で生まれた基金の一部を利活用して、オーナーと合同し、今年は新たなシェアハウスやオフィスなどの整備を中心部で計画しています。その他のパートナーエリアでも積極的に、新たなまち起業を喚起できるよう地域での取り組みを強化しています。 しかしこの時に重要なのは、逆算です。このネタについては改めて整理しますが、まち起業を喚起するのにスペースを用意するのも「見込み」とかで投資する時代ではなく、あくまで逆算を基本として考えています。開発前に一定の面積を埋め、キャッシュフローを確定させてから、投資をする。需要見込ではなく、実数としての需要を開拓してから投資です。 ただ、そういうまち起業したい人とどう接点を持てばいいのか、という話が出てきます。新たな層をいかにしてキャッチしていくのか、というテーマはまさにリーシングテクではあるのですが、これまでのようなリース対象の店とかではない、全くあらたな層の取り込みとなると、ルートそのものが異なります。 さらに、オーナーか運営会社が民間として投資をして回収するビジネスとして展開することが大切。これはエリアバリューを上げる上で、周囲の物件で再現可能なビジネスモデルであることが大切で、補助金などに依存すると結局のところ予算が外から入らないと動かないということになってしまいます。なので、民間で十分に投資回収ができること。とんでもなく儲かる必要はなく、今は空いていていい条件で借りてくれる人なんてこの時代にそう簡単に出てきませんので、自分で動かして価値をつくろうとしているオーナーさんのマネジメント方針があるのが不可欠です。 また起業メソッドは、・これまでと異なる層が中心部にはいってビジネス(まち起業)するための事業であること・先行投資型ではなく、実数積み上げて、損益分岐点を突破すること・遊休不動産をオーナー自らが賃貸借可能な最低限家賃を考えなおすこと・民間で投資して回収できるビジネスにすること(投資金額を回収可能な金額にすればいい) これはイノベーションのジレンマの突破です。中心市街地不動産のジレンマ突破であり、さらにしいては地域としての産業活力の創造につながっています。衰退する地域産業は新陳代謝が不可欠。これまでの顧客を対象に性能をあげて、高付加価値化を狙っていた中心部ですが、そんなんじゃなくて、もっと簡易な性能(不動産自体でちゃんと整備していないとか)の劣るもので、安く提供してあげたほうが、より大きなマーケットがあり、今後の成長余力もある。だから新たな層の取り込みは、短期的にリーシング対象の層はお金を沢山もっていない小規模な方々が最適で、高級路線ではないのが大切なんです。これは前述のまち起業~のブログをお読みください。 ということで、話を戻します。こういう方法にはいくつかパターンがありますが具体的なものを題材にしたほうが分かりやすいので、私が仕掛けている人たちをよく存じ上げている北九州と枚方のケースを今日はふれさせていただきたいと思います。私も今年度は必ずやこのカテゴリは攻めます。 [北九州市]■メルカート三番街、ポポラート三番街公式サイト■ポポラート三番街記事■メルカート三番街事例集「三番街事業と魚町サンロード商店街のエリアマネジメント(1)」 ■(ブログ)北九州市魚町の木造ビルを改築した「Mercato3番街」の意味するコト (No.895) 北九州のメルカート三番街のケース私も過去のブログで触れている通りですが、この4月からポポラート三番街という新たなスペースが開設されました。こちらは、mercato三番街も開設されている裏手の商店街で市を開催したりして集まったり、そのmercato3番街自体のインパクトに反応した、自分でものを作って販売したいという意思のある方が結構いて、そういう人たちを60名ほど集めて開設されました。プロデューサーである嶋田さんが全体の8割は新規開業組、あとは自宅や他で店やってた人が中心部に移転してきた層とのこと。 これもまさに先の「まち起業メソッド」に沿っています。既に周囲の不動産オーナーも関心をもって、次のエリアバリュー創造のステージを目指して動きが拡大しています。 [枚方市]■五六市公式サイト■枚方鍵屋別館公式サイト■枚方鍵屋別館リノベーションプロジェクト資料 Sartoの加藤さんたちが仕掛けている五六市は、枚方活性化のために毎月第に土曜日に開設している市です。この市は参加料が必要なので、参加料収入があがるが、土地代とかは土曜日の使っていない商店街の空き地とかをただで貸してもらっているので、運営費を差し引いて差益がでる。これを利活用し、さらに参加者の中ではやはり頭角を現す素晴らしい方もいるということでセットで、その五六市の中心部にあった鍵屋別館さんをリノベーションして、新たな物販店が集まるビルに生まれ変わっています。 これも「まち起業メソッド」の王道です。こちらも他物件オーナーからの相談も相次いでいる状況に。 [ポイント]ひとまずブログなのでこの程度で。(詳しくは本か別の機会に掘り下げていきますので、その時ぜひ)これらの事業の背後にはまちの中心性を牽引するミッション性とヴィジョンをリーディングチームが共有していることが肝心です。極端、単に短期的にどうこうしようと思えばもっといいビジネスは沢山ありますが、構造的に新たな層に中心部に出てきてもらおうとする不動産オーナー、出てきたいと思っていたがこれまでは無理だった人々、そしてそれらをプロデュースするプロ。こういう三位一体が地域で起きてこそ、中心部は中心部たるポジションにあると思います。 ということで、今年度は色々と北九州や枚方でも色々とご一緒しつつ、その他の地域でもこの手のプロジェクトを仕掛けて頑張っていきたいと思っています。私としては、メソッドとして体系的に固めるのも頑張りたい。