<< 事業をダメにする、支援者と被支援者の相互依存 (No.1006) | main | 成功事例はなぜ再現されないのか。 (No.1008) >>

消化もされない、補助率100%の補助金事業 (No.1007)

「補助金がないと事業ができない」という人は昔からいました。しかしながら、最近ではその様子が変わってきています。

補助事業を行う際の自己負担分、つまり事業費の2/3を補助してくれるにしても、1/3の資金は自分たちで負担するわけですが(ま、"補助"事業なんだから当たり前なんだけど)、それさえも負担できない。役所が100%補助してくれないと困る、という話をいう人が出てきていました。つまり、やる事業の全額を行政の予算=税金で負担してくれ、全部持ってくれ、って話です。

飲み歩きのイベント、廉価販売イベント、各店舗を紹介する勉強企画、コミュニティなんちゃらスペースの設置、などなど商店街の活性化に資するという取り組みの予算を全額税金で執行することを要求していたわけです。

(それよりも前にもっとやることあんだろ、と、色あせたマネキンが並ぶ洋品店の店頭をみて思うこともたくさんあるわけです。)

ま、それらの事業が本当に活性化する取り組みであれば、それで儲かるわけで、儲かるのであれば、儲かる人が受益者負担するのが世の中の常識なわけですが、それさえも通用しないほどに補助金依存が高まっているのが、商店街の現状でございます。何よりそんな事業やっても活性化なんてしないんですけどね・・・。

んでもって、そのような「商店街の声」を受けて創設された、地域商店街活性化事業は、"定額補助金"という仕掛け。
ま、つまりは400万円と決まった定額をそのまま補助しますということで、つまりは100%補助金のことなのです。何事も表現が胡散臭くなると、怪しいものです。

ワタクシは、おーおー、商店街もいよいよだな、と思っておりました。
が、実態としては、この100%補助される予算も消化されていません。その模様については以下のようにも書かれていますね。
 
経産省の「地域商店街活性化事業」には、13年度の補正予算で、 53億円が計上されている。だが、この事業には12年度の補正予算で100億円が投入されたものの、これまで約半分しか使われず、47億円もの大金が余っているのだ。そして、これらの余ったカネが国庫に返されることは、決してない。「全国商店街振興組合連合会」が運営する基金にプールされ、翌年度以降に持ち越される。

まともな商業者からすればそんな税金使った縛りのある面倒くさい事業に付き合っても、どうせ儲からないから付き合わないわけです。
さらに、商店街の多くも「今更何やっても仕方ないよね」と諦めて申請さえ面倒臭がってやらないというのも実態。

そんな状況を知った仕事の不足している広告代理店とかは、「申請から実施までをパッケージにしてやりまっせ。商店街は一切何もしないで、負担もしないでOKなんですよー」というメニューを創設して、商店街に営業してまわっているご様子。まさに商店街は単なる食い物にされていく。。。。

まーそういうのに乗せられる商店街ばかりではないと祈りたいところですが、もはや過去の振興組合ネットワークを駆使して補助金配ってどうにかなるという次元を超えているのを認識しないといけないのではないか、と改めて思う出来事です。

普通にまともに投資して事業やろうよ。

-------------------------
毎週火曜配信「エリア・イノベーション・レビュー」のお申込みはこちら。

コメント
コメントする









calendar
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< June 2017 >>
お問い合わせ
Podcast配信
まちづくりの経営力養成講座Podcastを始めました。ArtWork
この画像をiTunesにドラッグアンドドロップするとpodcastとして登録されます。今後の更新の際に自動的にコンテンツダウンロードがされるようになり、便利です。
recommend
地方創生大全
地方創生大全 (JUGEMレビュー »)
木下 斉
5刷。これまでの地域活性化政策を見直していけば地方創生政策における問題点と、打開策が見えます。本書はそれらを5つのポイントで整理して多数の事例をもとに解説しています。失敗事例から成果を収める事例を含めて包括的に理解していただくための一冊です。
recommend
まちで闘う方法論:自己成長なくして、地域再生なし
まちで闘う方法論:自己成長なくして、地域再生なし (JUGEMレビュー »)
木下 斉
3刷。地域での挑戦をゼロから始める際に、どのような成長過程を経ていくのかを段階別で解説。それぞれのプロセスで発生する壁と乗り越え方を失敗と成功両論から整理しています。
recommend
稼ぐまちが地方を変える―誰も言わなかった10の鉄則 (NHK出版新書 460)
稼ぐまちが地方を変える―誰も言わなかった10の鉄則 (NHK出版新書 460) (JUGEMレビュー »)
木下 斉
10刷。高校時代から地域に関わり、その中での挫折とその後の再挑戦について纏めた一冊。その中で自分なりに意識している10の鉄則までまとめています。台湾版も出ました。
recommend
まちづくり デッドライン
まちづくり デッドライン (JUGEMレビュー »)
木下 斉,広瀬 郁
5刷。リノベーションまちづくりを解説した本。過去に蓄積してきた遊休不動産などの資産を活用し、低価格でも利益がでる環境をまちなかに実現しよう。郊外でもネットでも無理な魅力ある経営環境を構築しろ。その方法論と全国各地の具体的事例を示した一冊。
recommend
まちづくりの「経営力」養成講座
まちづくりの「経営力」養成講座 (JUGEMレビュー »)
木下 斉
6刷。本ブログのテーマでもある、まちづくりを経営的に考えるための入門書。初めての単著本です。
selected entries
categories
archives
links
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM